和製英語にご用心

海外では通用しないケースがたくさんあります。

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普段何気なく使っているカタカナ語だけど・・・

すべてが英語とは限りません。
また日本では特別な意味だけが普及している言葉を使用して誤解されるのも損な話です。
さらには正しい意味が伝わっている語句でも、社会背景の違いを考慮すべきケースもあります。

英語サイトを作ってから、辞書を見る機会が増えました。「へー、なるほど」とか「そうだったのか」などと感心することもしきり。
英語を書くときには基本に立ち返ることが大切だと感じます。誰でも知っているような単語でも、辞書をめくると新鮮な発見がありますよ。

なお、私は和製語を否定するのではなく、すでに日本で定着してしまった言い回しなら日本語と見なすべきだという立場です。

和製英語に関してはその後も英語ミニコラムや貧盗恋歌の英語・英文・英会話でもいろいろ述べております。

以下は主に『小学館ランダムハウス英和大辞典 第二版』と『講談社日本語大辞典 第二版』に準拠しました。

やっぱり気になる「リンクフリー」

大勢の人にサイトを見てほしいなら、いわゆるリンクフリーという意味の表記は必須です。
でも link free はどうも日本的組み合わせらしい。

表現例を本場のWeb用語に挙げておりますので、ご参照ください。

気にはならない home page

日本人は home page の意味を取り違えている──と、よく耳にします。

こんなふうに表示される html ファイルを webpage または単に page といい、それらが意味を持ってリンクされ、ひとまとまりになったもの(通常これを日本人は home page と呼んでいる)を site もしくは website と呼ぶ。そして home page とは site の表紙(一般に index.html)を指す。また、ブラウザを開いたとき最初に表示される webpage も home page という。

以上は知識として持っておいて損はないのですが、だからといって site を home page と呼ぶのは間違いだと断言してしまうことには疑問を覚えます。

特に非英語国では、日本と同じような意味合いで使われることも多いし、英語国においてさえ、どう見ても site を home page と称している例を見ました。
どこの国にも『誰それ's Home page』というタイトルのサイトがあるようです。

そもそも home page を site の意味で使ったところで、誤解を招いたり損失をこうむるなどといったことは、まず考えられません。神経質になる必要はないと思います。
ただし、HP と略すのは国内だけにしておきましょう。

ロマンティックが止まらない

「プライベートを大切に」「エレガンスな装い」など、宣伝文句には品詞を無視した用法をしばしば見かけます。知らずにやっているのではなく、新鮮な感覚を強調したいのだと受け止めています。
もともと英語はひとつの単語がいくつもの品詞をカバーします。外国でどんな活用(文法上の)をされても間違いとは言えません。

「ロマンチックな人」のことをロマンチストといいます、日本では。
正しい綴りはromanticist(ロマンティシスト)で、どうもこれはロマン派文学者・芸術家を指すようです。
いわゆるロマンチスト(夢追い人)を表すには、"He is a romantic" のように名詞とします。

同様に簡略化された言葉に、ナルシスト(narcissist=ナーシシスト)があります。しかしnarcistでも通じなくはないようです。

(この小見出しは、CCB『Romanticが止まらない』より。懐メロ〜♪)

「あなたってユニークな人ね」

と、昔はよく言われたものです。わざわざ教えていただかなくても、私はユニークですわよ。すべての人間はユニークなのだから。

「唯一の」「ふたつとない」が unique の語義です。

コンピュータに携わるかたなら、本来の使い方をご存じですよね。
「ファイル名はユニークでなければならない」とマニュアルにあったからと、hennafil.datなど珍奇な命名に四苦八苦したプログラマーがいたとか。マニュアル作成者は「ファイル名を重複させるな」と言いたかっただけですけど。

付記:
アメリカのかたのページに The most unique ... という描写がありました。
唯一にちょびっとも一番もあり得ないので、これは日本と同じ意味合いです。口語ではよく使われます。
ただし日本では往々にして侮蔑や皮肉の響きがあるのに対して、あちらでは「素晴らしい」「卓越した」というニュアンスを含むそうです。
個性を尊重するか、人並みを目指すか──国民性の違いでしょうか。

My hus is mothacon ??

日本人は省略好きです。ワープロ、パソコン、ネスケにホムペ……。
昔は省略方法も違っていたのでしょうか。inferiority complex はインコンではないのです。そのせいで、コンプレックスは「劣等感」という意味になってしまいました。

それを是正してくれそうなのが、シネコンやマザコンかもしれません。

しかしまあ、マザコンが示す滑稽なイメージは、Oedipus complex とは趣を異にしていますから、英語に翻訳するのは難しそうですね。
マザコン男のことは、mama's boy と言うそうです。

Delicious slippers

ひところ、『ダイエット・スリッパ』なるものが流行しました。履いているだけで痩せられる、というアイディア商品です。
これをあちらのかたに説明するのは至難のワザかも。

土足国におけるスリッパの概念は、我が国とは微妙に違うらしいのです。
歩くとぺたぺた音がして、畳の上で履いたら怒られて、しばしば家族や他人と共有しなければならず、一見足を汚さないためにあるようだが、それを履くと足が汚れるような気がする──日本のスリッパを理解してもらうには、文化や生活習慣から述べる必要がありましょう。

漏れ聞いた話では、アメリカあたりのマゾさんたちにとって、スリッパとはムチよりも魅惑的なアイテムだとか。本当なんでしょうか? あんなのでぶたれたって、風情のカケラもありゃあせん。と、素人は思うのだけど。
改めて眺めると、見慣れたスリッパが突如妖しい光を帯びてきたりして……。

おっと、脱線。
ここで取り上げたかったのは、ダイエットでありました。

にょそもそも diet とは、食餌療法やその食物のことです。
むろん痩せるための第一の手段がダイエットなので、連想は容易としても、ダイレクトに「痩せる方法」を指すのではないのです。
ふとるためのダイエットだってあります。

ダイエット・スリッパに言及すれば、「スリッパを食うのか?」と驚かれそう。

ま、スリッパを食べるのは無理でも、スリッパを使った、痩せる食事法をお教えしましょう。
お皿の代わりとして、スリッパに料理を盛りつけるのです。トイレのスリッパなど、特におススメ。
(想像しただけで、体重が450グラム減った私→その後戻った)

雨垂れ式

「ブラインド・タッチという言い方はやめて、タッチタイプにしよう」という動きが、我が国で以前あったみたいです。それを「差別用語に対する過剰反応だ」と批判する人もいました。

blind という単語を問題視しているのなら、たぶんそれは過剰です。
確かに向こうでは、もっと別な言い方をしようとの主張もあります── light-independent(光から独立した)──詩的ですね。暗闇でも見える超能力者、みたいな。
しかし今のところ、日常会話でも文学上でも、blind を使うことは差し支えありません。

にもかかわらず、blind touch の使用は控えたほうが賢明だと私は考えます。
あまり一般的でない言い回しのようだから。
少なくとも私の英和辞典には載っていません。国語辞典では和製語とまでは書かれていないのですが。

こうやって文字を入力するとき、私はおおむね片手の2、3本の指だけを使っています。文を練りながら打つには、これでじゅうぶんです。
変換するまで画面を見ないので、時たまカナキーに指が当たったのを気づかずに、「となののらもいねのらみらこちのち」なんて文ができたりします。

Story of an Office Lady --- 日本人になら通じるかも

I work at a big soft company.
I was in office love with my boss.
But I decided to make image change of myself.
Then I found a handsome guy who has a very nice open car.
He said a charming girl must not be a high miss.
I will goal in with him.

お知らせ:
このパラグラフが、2002/3/31の Japan Times の Wasei Eigo 特集記事で紹介されました。なんと英訳付きです。

嘘つきは泥棒より恥なり

今やという単語は感動詞に格上げされ、「あら、そうなの」とでも言うところを「ウッソ〜」で済ませてしまう風潮は、年輩者にも広がっています。
もともと嘘に寛容な国民性。癌告知を望む人は少数だし、偽証罪は六法の飾りに過ぎません。
ことわざにも続々。「嘘も方便」「嘘は百薬の長」「嘘言って地固まる」「嘘つきは三文の得」……
とは大嘘でした。

英語で冗談を並べたあと、軽い気持ちで " I'm a liar " なんて付け加えたら、とたんに信用を失います。

欧米人の宗教観なのか、嘘をつく行為はことさらに重大視されているようです。
" You are a liar " や " You tell a lie " 等は、私たちの想像以上に、強い侮辱の響きを持つのだとか。
掲示板で論争になったら、相手をやりこめる最後の切り札(?)として取っておきましょう。

一方で、愉快なはやし言葉も見つけました。 こんなふうに茶化せば、多少やわらぐのかな。
Liar! Liar! Pants on fire.
嘘つき、火がつき、運の尽き。(ルノ訳)

プラスアルファ

おまけです。

スポーツことに野球界には和製語が多く見られます。戦時中に無理やり和訳していた反動でしょうか。どれも日本語としてすっかりなじんでいます。

修正された例もあります。
最終回裏がなかった場合、ボードには点数の代わりにX(エックス)を書きますね。これ、昔はAだったそうです。xをα(アルファ)と間違えたのだとか。

確かに筆記体のxはαと見誤りやすいようです。ギリシア文字はカッコいいという先入観が日本人にはあるのかもしれません。

プラスアルファも同じ見間違いから生じました。
では、基となったplus x とは? 成句というほどでもなさそうです。Xは未知数を意味しますから、数量不明でもとにかく付け足しということなのでしょう。






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