アナクロ電脳生活またはダイヤルアップ族の憂鬱

私のインターネットライフはこんなものです。

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ダイヤルアップに愛と理解を

ついこの間インターネットを始めたばかりだと思っていたのに、ふと気がつくと数年が経過し、世はブロードバンドとやらに染まってしまいました。
今や私は、絶滅危惧種たるダイヤルアップ族の貴重な生き残りです。

インターネットの普及と接続環境の向上により、ダイヤルアップというものを知らない人々が増え、我々旧人類にはかなり生きにくい時代となりました。

「ダイヤルアップ接続でインターネット」というのは、普通のアナログ電話回線を使ってホームページを見たり、メールを送ったりすることです。接続した時間に応じて電話料金がかかります。
昔(数年前まで)はそれが普通だったのです。「テレホーダイ」が流行ったのは、電話代節約のためです。
この「普通のアナログ電話」も意味がわからない人、多いでしょうねえ・・・。

当然のこととして、接続中に電話がかかってくると話し中になります。

回線が細いので、大きな画像や音楽データ、動画などは読み込むのに時間がかかります。チャットやオンラインゲームなんて、別世界の出来事です。オークションなど覗く気にもならないし、オンラインショッピングの経験もありません。

時間との戦い・・・ダイヤルアップ接続

ダイヤルアップの実態を想像できない人のために、私が普段どのようにインターネットをしているか説明いたしましょう。

  1. あらかじめブラウザやメールソフトを開いておきます。
  2. お気に入りフォルダや履歴から、行きたいサイトのURLをクリックします。
  3. 「ダイヤルアップ接続」のコマンド(プロバイダを選んだりパスワードを入力)が表れます。
  4. 「接続」をクリックすると、モデムが働き、ジーコジーコと音をたててプロバイダに電話します。
  5. うまくつながると、当該ページがちんたらと表示されます。

    ここまで、数十秒・・・。
     
  6. 接続と同時に、『インターネット時間管理ツール』というせこいプログラムが起動し、画面の隅に「ただいま4分22秒(20円)」などと表示され、刻々と数値が変わっていきます。
  7. 取り急ぎ、自分の掲示板などを回り、メールを受信します。この時点では、書き込みもメールも読む余裕はありません。時には書いておいたメールを送り、アクセスログを回収し、更新ページをアップします。
  8. 時間が余れば、お気に入りサイトやGoogleへ行きます。
    「あと43秒だから、トップページが重いAサイトは無理だ。BサイトとCサイトの更新状態をチェックして、CのBBSを見よう」などと、瞬時に計算して、履歴から当該URLを拾うのですよ。すでに名人芸。ダイヤルアップ族でいる限り、ボケとは無縁です。
    行った先がいろいろ更新していて時間オーバーしたら、さらに3分間延長・・・なんてことになります。
  9. 接続を切った後、受信トレイのスパムの山からまともなメールを選り分け、掲示板に新たなカキコがあれば読みます。

このような接続を、1日2、3回(合計20分程度)行います。使わないときにはパソコンの電源を切ります。

そんなふうですから、掲示板のレスやメールの返信が遅いのは致し方ありません。もしメールやカキコにURLが含まれていれば、それを見るのは早くて次回接続時です。
理論上はその次の接続の時に返信できるはずですが、現実にはそうもいかず、数日後になってしまうのは、単にずぼらな性格ゆえです。

いつまでもそんな生活?

常時接続は世の流れだし、費用がかさむわけでもないんだから、さっさと切り替えたらいいのに・・・。
そんな声も聞こえてきそうです。

我が家は天井まで光ファイバーが来ているので、その気になれば直ちに大容量高速回線をゲットできます。

でもねえ・・・。
いくら回線が立派でも、受け入れるパソコンが前世紀の遺物では、真価を発揮できません。今使っている旧型マシンは、電源入れて使えるようになるまでに、コーヒー入れたり歯磨きする余裕があるんですよ。

じゃ、ハイエンドパソコン買う? いやいや。

まだ使えるパソコンをお払い箱にしたくはない、というよりも、私としては今のダイヤルアップ生活で満足なのです。
インターネットは私にとって生活のごく一部であり、商売も趣味の範囲です。投じる時間やお金は最低限に抑えたいのです。

艱難難事をたまに

もちろん不自由な面は多々あります。

自分のページがあまりに多いので、更新してもすべてを表示チェックする余裕がありません。デッドリンクなども長年放置しているし・・・。いや、これは回線の問題というより、本人の姿勢ですな。

Webで知り合ったお友達は、誰もが自分と同じ高速環境にあると無邪気に信じているような人が多く、結局ついていけず、疎遠になったりします。これも性格の問題ですが・・・。

先だって、お客様が参考写真とかで5メガ近いメールを送ってきまして、受信しきれず接続がぶち切れて、ついでに私の神経もブチ切れてしまいました。回線は回復したけど、私は切れっぱなしで、商機(正気?)を失いました。ブロード時代でも5メガは破格ですが、とろとろ電話線でなければ、ダウンロードできたはず。

実際の話、巨大メールがきっかけで商談が壊れた(自ら壊した)ケースはその後も数件ありまして、相手はなぜ私が怒ったのか理解に苦しんでいることでしょう。

パソコンやソフトが旧式であることも苦労の種です。

HP作成ソフトは99年ころのもので、設定や仕様などに問題があり、すべてのページを作り直すというトラブルにも遭遇しました。
画像加工ソフトは、jpgよりもtifが優先されるという年代物。ファイル形式pngが使えないのみならず、gifにも問題ありそう。
漢字変換システムはATOK一桁台です。ら抜き言葉が変換されません。アンチら抜きの私には、まことにありがたいことですが。

私は壁紙が嫌いです(そんな私でも激薄壁紙ならけっこう使ってる・・・壁紙とは魔物)。
しばしば私は他人のページを見て、どうしてこんなチラチラゴチャゴチャ壁紙の上に文章を書くんだっ、全然読めんじゃないか、と腹を立てておりました。
しかし、どうやらそれは不当な怒りだと、ある時某ページを読んで知りました。
書いた人には文字がくっきり見えるのです。私に読めないのは、ディスプレーがオンボロだから、でした。

・・・いろいろありますけど、劣悪な環境にありながら、私は私なりにインターネットを楽しんでいます。
恵まれた環境の人々をうらやんだり、同情を乞うたりはしません。

私が最下層民というわけではないのです。私の知り合いは、1ギガHDのパソコンとWindows95に甘んじています。彼女はインターネットラジオと動画が大好きです。

快適なインターネットライフを享受する人々も、世の中にはさまざまなレベルの電脳生活があると知ることは、今後のウェブ交流において有意義だと思うのですが、いかがでしょうか。

付記

このページを書いたのは2004年3月でした。せかせかとダイヤルアップ生活をしながら、ドメインも取り、大掛かりな引っ越しをし、ブログを始め、アフィリエイトにも手を染めました。接続時間を抑えつつも工夫次第でいろんなことができるものです。

しかし2年半後、パソコン故障という事態に遭遇し、一気に光へと突入したのでありました(慌てる乞食は貰いが少ない)。
それでも基本姿勢はちっとも変わらず、こまめに接続を切ってオフライン作業をしています。つなぎっ放しはセキュリティの観点から危ないそうだし・・・。あるいは単なる貧乏性?






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