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アクセス解析顛末記

招かれざる客を招かないために・・・アクセスデータの有効活用。

お断り

このページには上品とは言いかねる表現があります。
特に女性のかたはご容赦ください。

そして・・・

パンティの画像を求めて検索エンジンから飛んでこられたかたへ。
ここにそんなものは置いておりません。
慌てて引き返そうとしても手遅れだよ。キミの個人情報はすべていただいた。ワハハハハ。

なんちゃって。ちょっと脅しが過ぎたかな。
そんな仕掛けは一切ありません。

アクセス解析とは

最近ではかなり多くのサイトが、訪問者のさまざまな情報を引き出すプログラムをセットしているようです。
データ収集と集計・分析を総合して、アクセス解析と呼んでいます。

アクセス解析で取得される項目は、次のようなものです。

IPアドレスは接続のたびにプロバイダが割り当てる固有の数字とでも言いましょうか。これをもとに訪問者(のパソコン)を特定することも可能だとか。

アクセス解析からは、ウェブマスターにとってサイト運営の指針となる貴重なデータが得られます。
訪問者の傾向がつかめるし、どのサーチエンジンが効果的かわかるし、リンクの広がりも確認できます。

訪問側の対処法は

楽しくネットサーフィンしていただけなのに、実は情報をまき散らしていたなんて、いささか興醒めですよね。
そんなページを見分ける方法、また回避する手だてはあるのでしょうか。

たいていのデータ収集プログラムは、JavaScriptを使っていて、ソースを見れば判断できます。
しかしソースを開いて気づいた時点で、すでに情報は渡っています。
ブラウザのセキュリティ設定で、あらかじめJavaScriptをオフにしておくのも一策です(詳細はブラウザのヘルプをご覧のこと)。

とはいえ、今やJavaはあらゆる場面に使われていて、オフにするとページ閲覧に支障が出たり、味気なくなる場合もあります。
特にアダルト関係はね(まるで見てきたようなことを・・・)。

今ではページ中にいろんなプログラムをたやすく仕込めるようになったので、Javaを切っていてもちゃっかり情報を取ってしまうシステムだってあります。もはや完璧な防御は不可能です(そういうのはソースを見てもわかりません)。

この際腹をくくって無視しましょう。どうせたいした情報じゃないんです。
真に重要な情報は、自ら入力しない限り、漏れるおそれはありません。
サイトオーナーが解析結果に一喜一憂し、翻弄されている姿を想像し、嘲笑ってやればいいではありませぬか。

その嘲笑ネタを、今から提供します。すなわち、あくせく解析に振り回された私の個人的体験。

デビュー

先だって、私は新しいホームページをオープンしました。

優雅な倹約を望む合理派マダム、ありきたりの既製品に飽き足らない個性派キャリアウーマン、可愛いものならなんでも大好き少女、カリスマ主婦にかりそめ主婦、とにかくクリエイティブな女性がターゲットです。

テーマはパンティの作り方
ありふれたパンティではありません。ハンカチが材料なんです。
いただきものの薄いハンカチって、一回手をふいただけでびしょびしょになるでしょ。普段持ち歩くのには適さないから、ついついタンスの肥やし。
そんなふうに死蔵されたハンカチをリフォームしちゃおうという、独創的企画です。

ハンカチで作るパンティだから、名付けてハンティ。私が編み出した造語です。

ページのタイトルは『ハンティ・パンティ』としました。語呂が良いという単純な理由で。

オジサマのための、ミニミニパンティ講座

さて、私は先ほどからパンティ、パンティと書いておりますが、これは異常な事態です。
だいたいパンティというのは、女性が使う言葉ではありません(私が女性だってこと、ご存じでした?)。

再度断言します。パンティは男性用語です。
どれだけ男性的かというと・・・。
「オレはなあ、キムタクなんざムカツクんだよぉ」などとのたまう女子高生も、紫煙にまかれて雀荘で夜を明かすオヤジギャルも、決して使いません。

じゃあ女性はそれをなんと呼ぶ?
ショーツ。これがフツーですね。
女性同士では、パンツともいいます。

えっ、パンツ?

若い女性が「パンツ」と口にすれば、それはズボンを指すのだという理解がようやく浸透した昨今です。
ズボンもパンツ、ショーツもパンツでは、どうやって区別するんだ?
それがオジサン発の愚問ってもの。彼女たちにはちゃんとわかるんです。

パンツを可愛らしく呼んだものがパンティ・・・それは男の感覚。
女の子にとって、パンティという単語はあまりにオヤジくさくて、ぜーんぜん可愛くない。
パンツはパンティの語尾を可愛く変化させた言葉なのでした。ぱんつと発音すれば、もっとカワイイ。
パンツとぱんつ、発音にどんな違いがあるんだっ? ・・・ああ、またもやオジンな質問を。

タイトル設定の愚

以上の事実を私は納得していたつもりなのですが、女性向けページのタイトルにパンティなる男性語を入れた行為が、認識の甘さを物語るのでありました。そこに気づくのはしばらく後のこと。

とりあえず『ハンティ・パンティ』はスタートしました(2001年初夏)。

けれども誰も見に来てくれません。当然です、全く宣伝を行わないんだもの。宣伝しようにも、当時はショーツ3枚という貧弱なコンテンツ。

しかもそんなページに、はやりのアクセス解析なるものを導入しちゃいました。

いやあ、空虚ですねえ。アクセス記録に自分の足跡しかないってのは。
めげずに毎日ちょこちょこと更新を重ね、15枚くらいに増えたひと月後、自分の公開済みページからリンクを張りました。一応それが正式デビュー。
そこから1日1~2件ほどのアクセス。

さらに1週間過ぎると、検索ロボットに拾われたらしく、fresheyeやgooという文字が顔を出し始めました。
検索用語は軒並み『パンティ』もしくは『パンティー』。

もちろんその単語でサーチをかけるのは男性に決まってます。
いーの、いーの。そんな人も来るってこと、ちゃーんと織り込み済みだよ。一応彼らのために『妖艶コレクション』なんてのも用意したんだから。と、余裕の笑み。

しかし・・・

そんな人、どころではない。
そんな人しか来なかったのである。

世間知らずのワタクシは、パーペキに読みを誤っていたのだった。
毎夜テレホ帯(当時ADSLはあまり普及していなかった)に突入するや、目の色変えてヨダレ垂らしてある種の用語を入力する人々が、インターネットの繁栄を支えているという現実を知るべくもなく。

こりゃアカン。
数日後タイトルを変更し、Metaキーワードから『パンティ』を削除し、ロゴも作り替えました。もともと本文にパンティという単語は使っていなかったので、全文をチェックするには至りませんでしたが。

新題は『ハンティ・パンキー』
衝動的につけたもので、深い意味はありません。もしかしたらパンキー・メドウズのかつてのファンが検索してくれるかな、みたいな。(アホらし)

まだまだ続く試練・・・キーワードの愚

とはいえ弱小サイトの悲しさ。ほとんどどこからもリンクされていないので、ロボット訪問の頻度が低く、いくら内容を変更しても、すぐには検索結果に反映されません。

その後もパンティを求めて訪れる人が続々。

当時のフレッシュアイやグーは「OR検索」が中心で、複数の単語のうちひとつでも該当すればリストアップされます。
次第次第に、いろんな形容詞のついたパンティが登場するようになりました。目を覆いたくなるような語句が私のログファイルに蓄積されていったのです。

そして、ある日。

びしょびしょ

一瞬ボー然。カマトトではありません。思考力が停止してしまったのだ。

我に返り、トップページにあった『一回手をふいただけでびしょびしょ』の文章を消しました。が、その後もちらほらと・・・。

かてて加えて、私は次のような文も書いていたのです。
「アダルトサイトからのリンクはお断りします」
その姿勢は評価しますわよ。でもここで『アダルト』がキーワードになってしまうことに気づかないとはマヌケ丸出し。
『アダルト』と『パンティ』を組み合わせて検索する人も、けっこう多いのです。

『アダルト』一語では膨大なヒット数に埋もれてしまうでしょうが、『パンティ』『びしょびしょ』などとタイアップすれば、これはもう押しも押されもせぬ『その手の』サイト。

付記:
「アダルトお断り」を取っ払ったせいか、ある時ホンモノのアダルトサイトから一時的にリンクされてしまい、1日で1万件のアクセスがありました。皆さんトップページをちらっと見ただけで退散してしまい、実害はありませんでした。
男性諸君、こういうジャンルばかり繁栄させていて、我が国は不況から脱出できるんでしょうか。

考えた結果、その後「アタ"ルトお断り」に変更。この違い、おわかり?

もしもアクセス解析を入れていなかったら・・・

考えるだに恐ろしい。
私はいつまでも訪問者のタイプに気づかず、タイトルはそのままに、怪しげな文章も放置して、「あら、今日はお客さん多いのね」などと、ノーテンキにはしゃいでいたことでしょう。

求めるものと求められるものが合致しないのは、お互いに不幸です。

私はこの件で、ホームページ上に不用意に書いた言葉がどんな結果をもたらすかを、身にしみて経験しました。

これを教訓に、ほかのサイトでも文章を手直ししたのは当然です。
特に英語サイトのトップページは極端に文章が少なく、これではろくすっぽ検索に引っかからないと反省し、各コンテンツの説明を大幅に増やしました(いずれ効果は現れると信じましょう)。

アクセス解析に興味のないウェブマスター諸氏にも、大いに参考になるはずです。
今一度自分のページを見直しませんか? 適切に検索されるためのキーワードがちりばめられているかどうか検証することが、今後のアクセス向上につながります。

はたまた、ネットサーファーの皆さん。
自分が打ったキーワードが相手サイトに筒抜けだと知れば、あまりにロコツな言葉の選択は慎もうと考えるでしょ?

「会社のパソコンを使ってるから平気だーい」

なんたる無節操。
この大不況、企業はあらゆる手を使って社員を整理しようともくろんでいます。
勤務中に『パンティ』を検索したかどでクビまたは左遷、という話も現実味が濃くなりつつあるのですよ。

解析に見る人生模様

それにしても男って種族は・・・。

『目の色変えてヨダレうんぬん』はトゲのある表現でしょうか。

検索エンジンによっては、自サイトが何ページ目にあったか判断できる場合があります。
1ページ10件として、46ページ目でクリックされたとしたら、執念としか言いようがないですね。それ以前の450件余りは見尽くしちゃったのかなあ。

その46番目のエレジーのIPを公開しろって? (レはロの間違い)
あいにく私はそこまでのデータを収集しておりません。アクセス解析は大まかな流れがつかめればいいのであって、個人に対する揶揄や糾弾のタネになってはいけません。

世間には、アクセスデータをもとに、最近足の遠のいた友達をなじる輩もいるとか。そんな人と友情をはぐくむという期待は幻想ですね。

一度『ハンティ』で検索してきた人がいました。
きっとパソコン初心者で、マルが抜けていることを見過ごしたのでしょう(カナ入力ならではのミス)。
回線の向こうには素晴らしい世界が広がっていると、ワクワクしながら打ち込んだのに、中で唯一それらしいのが「ショーツの作り方」という超健全サイトだけとは・・・。
落胆した彼は、インターネットをやめてしまったかもしれません。

だが、上には上が・・・。
『ハ。ンティ』には笑っちゃいました。
黙々と検索結果を出してくるエンジンのコンピュータに敬服。

付記:
開設から半年以上が過ぎ、なんと『ハンティ』での検索が1日1件以上出てくるようになりました。入力ミスではなく、ハンティなる単語が世間に浸透してきた証拠です。コツコツやってきた甲斐がありました。と、感慨もひとしお。

おおらかに

ごくたまに、アクセスログから新たなリンク元を発見することがあります。
そうやって密かにリンクしてくださるかたの紹介文には、ベタぼめもあったりして感涙ものなのですが、「アクセス解析で知りました。ありがとう」とは言えません。遠くから頭を下げるのみ。

アクセス解析って、そんなにイケナイこと?

こっそりデータを集める点で、確かに後ろめたさはありますね。
でもこれだけ普及し、概要が理解されつつある現在、『こっそり』という描写はそぐわなくなっています。

今やアクセスアップ系を始めとして、多くのサイトが導入を明らかにし、あるいは解析結果を公開しています。
逆リンクランキングも行われているのが現状です。
私だって隠すほどのものではないとは思うのですが、件数が少ないから公開はいたしません。

知識がなくても、プロバイダが許可しなくても手軽に使える、無料の解析サイトもあります。
多くは代償に広告を貼る必要があるのですが、こういうサービスが広まれば、アクセス解析のオープン性がますます高まるという意味で歓迎します。

導入したいとお考えの方は、「無料アクセス解析」などで検索するか、訪問したページでアクセス解析バナーやアイコンを捜し、クリックしてみましょう。
カウンターと連動するものも多く、機能豊富になってきています。

Google Analyticsはビジュアルで驚くほど詳細です。私も下着サイトで導入していましたが、使いこなせず停止。

アクセス解析をサイト充実に生かす

さて、解析結果のグラフを漠然と眺めるだけで満足してはいませんか?

検索キーワードから訪問者が何を求めているのかが判明すれば、それはチャンスなのです。更新ネタに盛り込まない手はありません。

このABCで解析を始めた当初は、ヤフーで「文字化け」「文字化け対策」を検索して来る人の割合が高いことに驚きました。

当時のヤフーはサイト検索であり、「文字化け」情報を得るのには不適です。彼らはおそらくネット初心者で、メールやウェブページの日本語の文字化けに悩んでいるのでしょう。
うちでは英語の文字化けが専門なので、期待に応えることはできません。

せめて文字化けを直すための情報がどこにあるのかを示せば多少は役立つだろうと、文字化け解消リンクを設置することにしました。

以前ハンティでは、ヤフーで「スタイ 作り方」「スタイ 型紙」を検索して来る人がけっこう見受けられました。
「スタイ」で引っかかる理由がアホらしくて、『テキスタイル』というカテゴリーにあるからでした。

「スタイ」って、いったい何? ある時検索エンジンで調べました。

「よだれかけ」のことなんですねえ。

「スタイ」とは北欧かどこかの会社名らしくて、よだれかけをそう呼ぶのは実にキニクワナイけど、すでに普及していることに文句をつけても始まらない。
それよりも問題は、多くのママさんがよだれかけを自分で作りたいと思っているのに、その方法を詳しく解説したページがほとんど存在しないことでした。

かくなる上は、よだれかけとは無縁のうら若きヲトメであるわたくしが立ち上がるしかないっ。

というわけで、ハンドタオルを利用した簡単スタイの作り方をアップしました。

もちろんこのページだって、解析の産物です。